SDGs駄菓子店「犬丸商店」が復活!店主の想いと商店街のこれから

「住み続けられる街づくりを―」

北九州市でおよそ100年続き、10年前に閉店した駄菓子店が復活し、地域交流の場として街を元気にしています。

動画:『*2020年8月27日放送SDGs 駄菓子店が復活 「街を元気に」

犬丸商店について

 

和菓子屋から駄菓子屋へ、賑わいと閉店、そして再開

(画像:改装したが、基本的な店構えは駄菓子屋時代のまま。朝夕は通学途中の子どもたちが店の前をよく通る 写真|【西日本新聞ニュース】より抜粋)

人気の駄菓子店「犬丸商店」。元々は、現在の店主犬丸優子さんの夫である浩さんの祖父、和菓子職人の犬丸清氏が明治時代の終わりに創業しました。その後昭和20年代に浩さんの父、政美さんが引き継ぎ、和菓子店から駄菓子屋に方針転換。犬丸優子さんは1989年に浩さんと結婚し、元々の駄菓子屋や子供好きも影響して、政美さんと妻経子さんが営む店を手伝ってきました。しかしながら、政美さんの高齢化で店の継続が困難に。それで2010年に閉店します。政美さんは3年後、86才で亡くなりました。

その後犬丸さんは経子さんの介護にあたりましたが、2年前に経子さんを看取り、店の復活を決意します。実は2019年に1日限定オープンも果たし、周囲の知人らの手も借りながら約1年間の改装を経て、2020年に再開店へとこぎつけました。

(参考:【街 みらい】地域再生の夢 “100年の店”交流拠点へ復活 駄菓子屋兼カフェ1日限定オープン 来春再開目指す|【西日本新聞ニュース】 / 100年続いた駄菓子屋が復活 義父母の跡継ぎ…「子や大人が集う場に」|【西日本新聞ニュース】

 

再開後のスタートでは

 

レトロな空間と店内の工夫

(画像:改装したが、基本的な店構えは駄菓子屋時代のまま。朝夕は通学途中の子どもたちが店の前をよく通る 写真|【西日本新聞ニュース】より抜粋)

木造づくりのレトロな空間には、50種類もの駄菓子やサイダーなどが並ぶ、昔乍らの光景が広がっています。

(画像:戸畑で100年の駄菓子屋 いぬまる商店さんで談笑!より抜粋)

駄菓子は夫の父である政美さんが懇意にしていた卸屋から調達。子供を連れてきた大人が、コーヒーなどで一服できるカフェも併設し、さまざまな趣味の集まりができるスペースも設けています。世代を超えて様々な人に利用してもらおうと、授乳ヤオムツ換えにも利用できる「赤ちゃんの駅」にも登録しています。

(参考:戸畑で100年の駄菓子屋 いぬまる商店さんで談笑!

 

・利用者は子供だけにあらず。

インタビューでは楽しそうに「駄菓子屋カフェっていう感じでやっていこうかなって。」と話す犬丸さん。

11時の開店後、子どもたちが学校に行っている間は静かな空間としても。「地域を盛り上げてくれる犬丸さんに共感して半分応援しながら来ています」と話す店内客の男性。また、地域の住民は「楽しいんですよここ、癒されるし」「駄菓子屋さんなんだけど、駄菓子屋さんを超越してますね」などと話しており、子供たちだけではなく、その親御さんや地域の様々な住民に愛されている様子が伝わってきます。

 

コロナ対策も!

15:30以降、学校が終わり、子供たちがやってくる時間にはとたんにガヤガヤと賑わう店内ですが、勿論コロナ対策もばっちりです。

・子どもたちは入り口での消毒など、感染対策をしたうえで入店。

・扉も開放して、常に換気。

できることをしっかりやって、この時期を乗り切る工夫が伺えます。

 

名物店主「まるちゃん」、犬丸優子の想い

 

犬丸商店が「町の活気の要」だったことへの気付き

犬丸さんは、再開時の意向について次のように話します。

「シャッターが下りて町がガランとしてしまって。あの活気がこの町によみがえるには、この店を開けるしかないって思った。」

駄菓子屋さんとして、確実に町の活気の要をになってきた犬丸商店。店を閉めてしまってから、なんとなくさびれてゆく町を見ながら、お店の再開を決意したようです。

 

これからを生きる子供たちへ

(画像:戸畑で100年の駄菓子屋 いぬまる商店さんで談笑!より抜粋)

約1年の改装時期を経て営業を再開した犬丸商店。その存在はやはり大きく、再開してから「街がにぎやかになったって言われます。」と笑顔で話す犬丸さん。子供たちにも「まるちゃん」として親しまれ、お店は切り盛りで大忙し。「人とのコミュニケーションが取れる大人になってもらいたい」という想いから、幅広い年齢の子供たちを集めて交流の場としています。訪れた親子連れにも優しく話しかけて、一緒に駄菓子を選ぶ様子も。

 

「地域を巻き込むまちづくり」を目指して

再開後に犬丸さんが目指すのは、「地域を巻き込む街づくり」。このお店が、その拠点になればと考えています。インタビューの終わりでは、現在の犬丸商店の様子について次のように話してくれました「同じような考えの人がほんとに集まってきて。そうしたら1人の力よりも10人、10人の力よりも20人、って、街が変わっていくんですよ。それで、既に良い出逢いもいっぱいあって。色んな良い話も生まれてきつつあるし、街を元気にできそうな気がします。」

 

SDGsと商店街

 

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」

(画像:SDGs|目標11 住み続けられるまちづくりをより抜粋)

「SDGs」は、Sustainable Development Goalsの略で、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、地球上で「誰一人取り残さない」ことを誓い、17の大きな目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲットから構成されています。その17の目標のうちの11個目、住み続けられるまちづくりを」。これは、「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」のテーマのもとで、10個のターゲットによって構成されています。

(参考:SDGs|目標11 住み続けられるまちづくりを

 

「犬丸商店」にまなぶ、これからの商店街活性化

(画像:戸畑で100年の駄菓子屋 いぬまる商店さんで談笑!より抜粋)

商店街の中で、カフェとして、親子連れの憩いの場として、地域住民の交流スペースとして、そして子供たちのコミュニケーションの場として…これまで以上の大きな役割を「能動的に」担うことになった犬丸商店。これには、SDGsの目標で掲げられる「住み続けられるまちづくりを」を実現する為の重要なヒントがあるようです。つまり、まちがまちとして住み続けられる場であるためには、インフラや交通網などの整備だけでなく、そこに住まう「人」にも着実に目を向けなくてはならないということです。格差や貧困を始めとする大きな問題は、日々そこに暮らす人々の生活の積み重ねで顕在化してゆきます。一人一人が孤立しがちな現代社会に於いて、「犬丸商店」を始めとした地域交流やそこに住む人達を繋ぎ、人間としての温かみを取り戻すような営みの枠組みが重要であることは、言うまでもないでしょう。これからの犬丸商店や商店街の発展に期待しつつ、わたし達の町でも出来ることを考えてみましょう。

 

店舗概要

店舗名:犬丸商店

代表者:犬丸優子

本社所在地:〒804-0065 戸畑区新川町6-8

再開日:2020年5月25日

URL:https://www.facebook.com/inmr.shoten/

営業日時:12:00-18:00(土日・祝日は休業。) ※営業時間は変更する可能性があります。訪れる際は、上記URLを参照して最新情報をチェックしてみてくださいね。

 

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