城やお寺も宿泊施設として選択可能に!観光庁が環境整備へ

2020年8月31日、観光庁は城を宿泊施設として活用する「城泊」、お寺を宿泊施設として活用する「寺泊」の支援先の選定を行いました。城泊の対象として 愛媛県大洲市の大洲城、長崎県平戸市の平戸城が選ばれ、寺泊では滋賀県大津市の比叡山延暦寺、和歌山県伊都郡高野町の恵光院、岐阜県高山市の善光寺、高知県高岡郡四万十町の岩本寺などが選ばれました。

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観光振興事業費補助金(城泊・寺泊による歴史的資源の活用事業)

今回の補助金の正式名称は2020年度(令和2年度)「観光振興事業費補助金(城泊・寺泊による歴史的資源の活用事業)」。城泊はすでに取り組みを開始している施設を支援対象としており、寺泊は宿泊施設としてすでに稼働している施設から選ばれました。

今回の補助金は城泊・寺泊の客室の改修工事、多言語対応、情報提供、体験型コンテンツの造成事業に対し、経費の半分を補助するものとなっており、城泊は上限750万円、寺泊は上限780万円となっています。

他の国にはない城や社寺は日本独自のコンテンツ

日本の歴史やその町の発展と関わりが深い城や社寺は言ってみれば日本独自のコンテンツであり、そこで提供できる体験はこれ以上なく日本らしいものだと言えます。インバウンド客や富裕層向けのサービスとして充実させ、旅館など他の日本的な宿泊施設では難しいとされる長期滞在需要を満たすことを狙っています。

また、日本にも数多く存在する城マニアにとって「城泊」という新しいジャンルはこれまでは提供されてこなかった選択肢であり、城から武将の気持ちになって静まり返った町や浮かぶ月を眺めることができる、というのは極めて希少かつ極めて魅力的な宿泊体験となること間違いありません。ヨーロッパでは城や宮殿を活用したホテルも人気を呈しており、そこに対する一定の需要が見込める上、近年では姫路城が「外国人に人気の観光スポットランキング」の10位にランクインするなど、日本の城は訪日外国人の関心も高いことが予測されます。

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今回採択された平戸城は2017年にキャッスル・ステイという城泊イベントをすでに開催したことがあり、その時には1組無料の募集に対して、およそ7000組の応募がありました。そのイベント自体がPR効果をもたらし、平戸市を訪問する外国人観光客は増加しました。

また、今回選定された愛媛県大洲市の大洲城では、17時から翌朝9時まで城を貸切ることができ、2名1泊 で100万円という高額な宿泊料でありますが、木造天守に泊まれることが魅力的なポイントとして人気を集めています

参照:1泊100万円でも応募が殺到!城を貸し切りにして泊まれる「城泊」が人気の理由

一方で、「寺泊」はかねてより一部の施設で可能だったとは言え、まだまだ数は少なく、7万7700箇所と言われる総数のうち、宿泊施設として稼働しているのはおよそ300箇所に留まっています。

坐禅や写経などの文化体験も人気が高いですが、デジタルデトックスやマインドフルネス、メディテーションやヨガなどに関心が高い層に響くコンテンツを用意することにより、大きな相乗効果を生み出すことも期待できそうです。リーズナブルな価格帯での長期滞在が可能になれば、新たなワーケーションスポットになる可能性もあり、観光客の誘致、町の活性化に効果を発揮しそうです。

今回採択された事業の一覧は下記の通りとなっています。

城泊

・大洲城キャッスルステイ協議会/大洲城キャッスルステイ新コンテンツ造成事業/愛媛県大洲市
・狼煙/平戸城城泊(キャッスルステイ)事業/長崎県平戸市

寺泊

・おおま宿坊 普賢院/宿坊事業及び訪日外国人向け禅に関わる体験事業/青森県下北郡大間町
・宗教法人 覚林坊/覚林坊訪日外国人観光客の実際の声を取り入れた本物志向の宿坊体験造成事業及び情報発信事業/山梨県南巨摩郡身延町
・宗教法人 善光寺/善光寺インバウンド受入体制強化及び寺院体験コンテンツの拡充事業/岐阜県高山市
・延暦寺/比叡山延暦寺新しい生活様式に基づく寺泊に向けた団体研修やワーケーションプログラムの策定/滋賀県大津市
・宗教法人 常喜院/常喜院、常喜院密教瞑想・体験センター整備事業/和歌山県伊都郡高野町
・宗教法人 恵光院/インバウンド平準化に向けた高野山ヘルスツーリズムプログラム/和歌山県伊都郡高野町
・宗教法人 大泰寺/大泰寺民泊事業インバウンド対応強化事業/和歌山県東牟婁郡那智勝浦町
・宗教法人 岩本寺/四国霊場札所 岩本寺と清流四万十川に癒される旅(アッと四万十「!SHIMANTO」)/高知県高岡郡四万十町

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